2014年05月12日

【お知らせ】KUASU・ARCIPセミナー「華人社会における伝統ファミリー企業の相続に関する研究」(5/28)→終了しました

アジア研究教育ユニット・アジア親密圏/公共教育研究センターでは下記のとおりセミナーを開催しますのでお知らせいたします。

【セミナー名】:「華人社会における伝統ファミリー企業の相続に関する研究―日本伝統ファミリー企業との比較において―」

【講師】:官 文娜(香港大学香港人文社会研究所)

【日時】:5月28日(水) 16:30~18:30

【場所】:社会学共同研究室(文学部新館5階)

【概要】

 ファミリー企業の平均寿命は僅か24年に過ぎず、ちょうど企業の創始者の平均就業年数と同じである。アストラ・チャン(2000年)によれば、アメリカでは30%のファミリー企業しか2代目に継承できておらず、3代目に継承できたのは12%、それ以上継承できたのは3%しかないという。中国では「富は三代を過ぎず」と言うが、それは中国のみの真実なのではなく、世界的に共通するのである。

本研究では中国大陸、香港、台湾、または東南アジアにおける華人の伝統ファミリー企業の相続の例をそれぞれ挙げ、華人社会における「家(ジャ)」の特徴を探す。これを踏まえて、日本の住友企業を例に、養子・婿養子による相続、特に18世紀に起きた「住友家事一件」と呼ばれる家族内の紛争を詳しく検討し、それが3~400年続いて20代に亘って伝承してもなお衰えることのない秘密について論じる。このようにして中国と日本の伝統的なファミリー企業の相続形式との比較を行い、華人社会における「家(ジャ)」と日本人の「家(イエ)」が内包する文化的特質への理解を一層深めたい。

*講師紹介

講師は香港大学香港人文社会研究所の官文娜博士。官博士は1982年に華中師範大学を卒業し、中南民族大学にて教鞭をとった。その後、1989年に日本に留学し、1993年に京都大学文学研究科博士課程に入学。1999年に同研究科にて博士学位を取得。博士論文は2005年に『日中家族構造の比較研究』(思文閣)として出版した。2001年に国際日本文化研究センター研究員、2007年より香港大学に奉職して日本研究を継続。資料に基づいた本格的な日本文化研究で定評があり、北京大学歴史系での集中講義を含め、大陸各地にて招待講演を行っている

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